ワークショップ:経営者育成プログラムの事例


目的

数か月にわたる本プログラムを通じて、主にプログラム内でのコミュニケーションによって、参加メンバーが「気付き」を得て、より高いレベルの経営者に成長することを目的とし、成果が期待できるチームビルディング手法を学ぶ。


対象者

異業種のリーディング企業の管理者


手法

①講義、②チーム別テーマ研究、③企業訪問調査によって構成し、各チームに専門コーディネータが付いてコーチングする。プログラム開始時とプログラム終了時の計2 回、「BM気質モデル分析」によって個人と組織の分析を行い、参加対象者等にフィードバックを行う。

 

評価に関しては、「BM気質モデル」と「城郭石垣イメージ/グリッドモデル」を活用し、メンバーの気質分析及び組織分析を行う。


結果

  • 「BM気質モデル分析」によりプログラム開始・終了時の結果を比較したところ、一定程度、個人の成長(思考行動特性の変化)が見られた。
  • 「城郭石垣イメージ/グリッドモデル」を活用して、個人の立ち位置と相手とのより良好なコミュニケーションの在り方について理解が進んだ。

その他、本プログラムで得られた示唆

今回、「引っ張る」タイプのメンバーと「引っ張られる」タイプのメンバーでチームを組成し、プログラムを進行したが、以下が明らかになった。

 

(1) 組織メンバーの組み合わせ

メンバー構成が、「とても強い」「強い」「バランスをもつ」の一定のバランスをもつ場合、より大きな成果が出る可能性が高い。特に「とても強い」がいない(少ない)場合は、大きな成果が出にくく、「バランスをもつ」がいない場合は、組織全体の調整・まとまりが進みにくい。

 

(2)個人及びチーム全体の「コア立ち位置」

城郭石垣グリッドモデルを使って、プログラム開始時と終了時の「コア立ち位置」変化の数値を活用して、個人とチーム全体の両方の成長変化を可視化した。このプログラムでは、長期的課題(ビジョン・戦略)と短期的課題(現実・現場・行動)の両方の領域に取り組んだためか、チーム全体としての「コア立ち位置」が、「城郭石垣グリッドモデル」上の中央に近い方(バランス)が、より高い成果を出す傾向にあった。


参考資料:総合評価一覧

項目 Aチーム Bチーム Cチーム Dチーム Eチーム
組織タイプ バランス思考型 バランス思考型 バランス思考型 バランス思考型 バランス思考型
組織構成

V:2人, S:2人, B:2人

⇒一定バランス

V:3人, S:3人, B:2人

⇒一定バランス

V:1人, S:6人, B:1人

⇒「強い」が多い

V:1人, S:2人, B:4人

⇒「とても強い」が少なく、「バランスもつ」が多い

V:5人, S:2人, B:0人

⇒「とても強い」が多く、「バランスをもつ」がいない

「コア立ち位置」変化

-21+45(戦略思考)

戦略/自在より変化

-10+20(戦略/自在)

バランスに最も近い

自在より変化

+05+34(戦略/自在)

戦略/自在 さらに拡大

 

-06+30(戦略/自在)

戦略より変化

-30-02(戦略/安定)

安定/戦術より変化

 
 
チームリーダーとの類似傾向  

あり

ややあり

   

SF分析

(拡散/集中 傾向)

拡散強い

拡散/集中 バランス

全体揺れあり

拡散強い

拡散強い

拡散/集中バランス

全体揺れあり

生き甲斐度

(平均)

0.58

0.65

0.62

0.70

0.59

定性的評価 最後の2 か月間のストレッチは大きかった

テーマ研究における成果と成長の伸びがトップ、最後の2か月間のストレッチは大きかった

テーマ研究への深掘りの糸口はつかめたがゴールは平均的

テーマ研究への深掘りの糸口はつかめたがゴールは平均的

最後の2か月間のストレッチは大きかった

総合評価

(活性化度)

※組織構成 V:Very(とても強い)、S:Strong(強い)、B:Balance(バランスをもつ)

※「コア立ち位置」:城郭石垣グリッドモデルによる、グラフ中心からのズレ(x、y)


参考資料:フィードバックシート(サンプル)


変化分析フィードバックシート

ワークショップ前後で、あるリーダー関して個人の気質(立ち位置)がどう変化したのかを示したものです。


組織バランス分析シート

ワークショップ終了時の、あるチームの状態を分析したものです。


「コア立ち位置」分析シート

ワークショップ前後で、あるチームの「コア立ち位置」がどう変化したのかを示したものです。