「KOS」の「健全化」に向けて


「KOSモデル」において、「内界」(=自己の感情・自己肯定感など、意識した自己)、「外界」(=家族・社会などの環境や、そういった環境との付き合い方)、「6つのコンピテンシー」(=外的環境と調和するに必要なコンピテンシー)は、どういった関係であるべきでしょうか?


「健全な状態」のあるべき姿



(「健全な状態」とは…)

「健全な状態」とは、①「6つのコンピテンシー」が大きな基盤になって、②社会と調和をもった「外界」を保持しながら、③「内界」という自己を確立する、という、いわば安定感のある三角形の状態を言います。この場合、それぞれは以下のような状態です。

 

【内界】

 

環境や社会の現実に立脚した自己の状態

 

【外界】

家族や社会と上手に連動・意思疎通する自己の状態

 

 

【6つのコンピテンシー】

置かれた環境に親和性があり、本来の資質能力が発揮できる自己の状態

・(仁)…思いやりをもっているので、人がついてくる

・(義)…正しい道を進むので、物事とも円滑に進む

・(忠)…誠実さをもっているので、信頼を得られる

・(信)…偽らないため、信用を得られる

・(勇)…勇気をもって行動するため、問題の解決を図れる

・(謀)…問題解決に向けた策を講じるため、状況変化に関わらず問題解決できる

 


「囚われた状態」(=不健全な状態)の姿


(「囚われた状態」(=「不健全な状態」とは…)

「囚われた状態」とは、①6つのコンピテンシーの基盤が小さいまま、②社会との十分な調和を持てず、③「内界」は肥大化・我執化する、という、いわば逆三角形の状態を言います。この場合、それぞれは以下のような状態です。

 

【内界】

 

自分自身が「肥大化」し、「我執化」している自己の状態

 

【外界】

家族や社会と上手に連動・意思疎通できていない自己の状態

 

 

【6つのコンピテンシー】

置かれた環境に親和性がなく、本来の資質能力が発揮できない自己の状態

・(仁)…思いやりがないので、人がついてこない

・(義)…正しい道から外れているので、円滑に進まない

・(忠)…誠実さが欠けているので、信頼を得られない

・(信)…偽るため、信用を得られない

・(勇)…問題やトラブルから逃げるため、問題が放置される

・(謀)…問題解決に向けた策を講じないため、問題が解決されない 

 


「健全化」に向けたアプローチ


万が一、「囚われた状態」に陥っている場合、❶肥大化・我執化した「内界」を、本質部分(大事なところ)を残すまでに収縮させ、❷「外界」と「6つのコンピテンシー」を膨らませる方策が有効です。ただし、本人が「気づき」を得ない限り、健全化に進むことは通常困難です。「気づき」を得させるためには、本人の考え、意見を自由に表明させ、聴く側もその話を度量をもって受け入れるようにします。そのやりとりのなかから、解決の糸口となる「萌芽」を見つけることが重要です。