「KOSモデル 器(うつわ)診断・性格診断」開発の背景と狙い


(経緯)

当研究所は、2005年に「BM気質モデル」による人材診断システムを開発し、以降2,000人を超える技術者・管理者・経営者と直接面談やフィードバックを実施し、さらに実際に多数のチーム運営も支援してきました。市場では人に関わる問題解決を性格タイプ診断手法などを活用して進める傾向が強く、当研究所でも「BM気質モデル」を活用した手法を活用してきたところですが、結果として全体の問題のうち7割ほどは解決に至りましたが、残りの3割ほどについては十分な解決にまで至ることができませんでした。そこで、この残り3割の問題について研究を深めたところ、「人の器(うつわ)」に着目することの有用性を発見し、「人の器(うつわ)」を大きくするなどすれば、これらの問題のうち多くの問題が解決できるという結論に至りました。

 

(人の器(うつわ)に着目)

人の問題は本質的には、「心の奥底にあるもの」が関係していると言えるでしょう。その問題が大きければ大きいほど、また深ければ深いほど、相手を受け容れるか、それを超越するか、または本来の自分を取り戻し問題を克服することが求められますが、いずれにしてもそれらは「人の器(うつわ)」に大きく関係していると判断されます。そういった「人の器(うつわ)」を分析することにより問題解決を図るのが、「KOSモデル 器(うつわ)診断・性格診断」となります。


「KOSモデル 器(うつわ)診断・性格診断」の特徴と由来


(「KOSモデル」の分類法)

「KOSモデル 器(うつわ)診断・性格診断」は、①人の「器(うつわ)診断」と②人の「性格診断」の2つで構成され、「器(うつわ)診断」で人の器(うつわ)の大きさ・特徴を5つの器(うつわ)タイプに分類し、「性格診断」で人の性格を9つのタイプに分類するものです。

 

(「KOSモデル」の由来)

紀元前12世紀に最古の兵法としてつくられた(※実際には魏の時代(紀元後3世紀)以降つくられた)とされる中国の古典「六韜三略」に、人材や人の器についての記述があり、それがコンピュータでいえばOSの核となって基本的な機能を実行するプログラム群=Kernel(カーネル)に相当することから、「Kernel Of Six competency」から「KOSモデル」と名付けました。また、紀元前6世紀ごろにピュタゴラスが使い始めた言葉に「KOSMOS」がありますが、「KOSMOS」は秩序をもつ完結した世界体系としての宇宙のことで、調和のとれた状態を表現するものでもあります。なお、「Six competency」は、「六韜三略」中の「仁」「義」「忠」「信」「勇」「謀」を表します。


「器(うつわ)」の質に着目する


(器(うつわ)の質的分類)

「器(うつわ)診断」では、5つの器タイプを「木星」「土星」「地球」「金星」「火星」で表現しますが、これが優れている、劣っているという判断材料ではありません。どの「星」にも優れた点があり、いわば宇宙の調和を表現するための使命や役割があります。考え方の起点として、一人ひとりがそのままの状態ですでに優れていて、それぞれの使命を全うするために存在するということ、それを見い出す診断システムが「KOSモデル」とも言えるでしょう。

 

(それぞれの器(うつわ)タイプを3つの切り口から診断)

「器(うつわ)診断レーダーチャート」では、器のタイプを「識界」(視野の広さ・高さ)、「内界」(自分力・感情面・自己肯定の強さ)、「外界」(対人対応力)の3つの切り口から診断します。「識界」「外界」「内界」は連動しており、一つの要素がよくなると、他の二つの要素もよくなります。ここでは、現在のあなた3つの要素のバランスを判定し、あなたの強みを明らかにします。また、さらに、器を大きくする方法についての具体的アドバイスも掲載しています。


「KOSモデル診断」フィードバックイメージ(例:一部抜粋)


「器(うつわ)診断レーダーチャート」では、器のタイプを①「識界」(視野の広さ・高さ)、②「内界」(自分力・感情面・自己肯定の強さ)、③「外界」(対人対応力)の3つの切り口から診断します。①「識界」、②「外界」、③「内界」は相互に連動しており、1つの要素がよくなると、他の2つの要素もよくなります。ここでは、現在のあなた3つの要素のバランスを判定し、あなたの強みも明らかにします。またさらに、器を大きくする方法についての具体的アドバイスも掲載しています。


「器(うつわ)」の大きさも意識


世の中には、「大きな器(うつわ)」から「小さな器(うつわ)」まで様々な大きさの器(うつわ)があります。同様に人についても、「大きな器(うつわ)」の人から「小さな器(うつわ)」の人まで様々なタイプが存在し、それぞれに特徴や長所をもっていると言えるでしょう。「器(うつわ)診断」では自分の器の大きさも確認してみるとよいでしょう。

 

「小さな器(うつわ)」は「大きな器(うつわ)」に入りますが、「大きな器(うつわ)」は「小さな器(うつわ)」には入りません。同様に、「小さな器(うつわ)」の人は、「大きな器(うつわ)」の人に受け容れられますが、「大きな器(うつわ)」の人は「小さな器(うつわ)」の人に受け容れられるのは難しいのが実情です。同様に、「大きな器(うつわ)」の人は、多くの多様な「小さな器(うつわ)」の人材を束ねることができますが、「小さな器(うつわ)」の人は、自分より器(うつわ)が小さな人を受け容れることができるものの、束ねる人材に限りがあります。

 

組織全体でみると、リーダーとなる人の器(うつわ)の大きさが、チームの大きさやパフォーマンスを決めることにもなります。特に大きく多様な人材を含むチームには、器の大きな人材が求められるとも言えるでしょう。

ただし、確かに上述のとおり、人を束ねたり、大きく多様な人材を含むチームをマネジメントする場合には、「大きな器(うつわ)」がより望ましいと言えますが、それぞれの個別の環境や状況によっては必ずしも「小さな器(うつわ)」よりも「大きな(うつわ)」が良いとは言えません。適切な大きさが良い場合があります。大切なことは、その器(うつわ)の持ち主が、自分の器(うつわ)の持ち味(大きさ、特徴、能力)や真価を発揮させることと言えるでしょう。